令和5年度 ⽂部科学省委託

専修学校による地域産業中核的⼈材養成事業~専修学校と業界団体等との連携によるDX⼈材養成プログラム~

AIプロジェクトを企画推進するビジネス創発型DX⼈材養成プログラムの開発

Introduction

我々が⽣きる現代社会は、デジタル技術の進化と共に、かつてないスピードで変化し続けています。
この変化の最前線にあるのが、⼈⼯知能(AI)とその応⽤です。このAIの進化は、産業界だけでなく、我々の⽣活のあらゆる⾯に影響を及しています。
経済や産業の動向に⽬を向ければ、AI技術は、企業の⽣産性を向上させるだけでなく、新たなビジネスモデルの創出、消費者体験の向上、さらに社会的課題の解決に貢献する等、その潜在⼒は計り知れないものがあります。
このような状況において今⽇、AIを理解して活⽤できる⼈材が各界から強く求められています。

この時代の変化に対応するべく、IT分野の専⾨学校の役割は、これまで以上に重要なものになってきます。
我々は、技術だけでなく、社会に新たな価値を提供し、変化を牽引できる⼈材を育成する使命を負っています。
これは、将来を⾒据えた教育の提供という形で実現されるべき使命です。
その⼀環として、当学園は令和5年度専修学校による地域産業中核的⼈材養成事業「AIプロジェクトを企画推進するビジネス創発型DX⼈材養成プログラムの開発」を受託し、そこでの取組として「AIビジネス創発型DX⼈材養成プログラム」の開発に踏み出しました。
この教育プログラムは、AIとDXを核にし、未来のビジネスシーンで活躍できる⼈材を養成することを⽬指しています。

そのため、本教育プログラムは、その設計において⼆つの重要な特徴を有しています。
⼀つは、AIに関する包括的なリテラシーを習得するための共通基礎講座群(AIビジネス創発型DX⼈材養成プログラム【共通領域】)です。そこでは、AIの基本的な原理や技術だけでなく、その社会的・倫理的な⾯にも焦点を当てています。これにより、受講者は、単に知識を獲得するだけでなく、その影響を深く理解し、社会に対して責任ある提案が出来るようになります。
もう⼀つは、AI⼈材タイプ別の選択実践コース(同【専⾨領域】)です。受講者の個々の関⼼やキャリアパスに合せ、「AIプロジェクトマネジャー」「AIデザイナー」「AIエンジニア」「システムエンジニア」「AIユーザー」という5タイプの⼈材コースから選べるようになっています。これにより、専⾨的な知識・スキルだけでなく、チームで働く⼒や課題解決⼒も習得できます。

そして、特に注⽬すべきは、【専⾨領域】に「実習」として配置されている本格的なPBL(Project-Based Learning「課題解決型学習」)プログラムです。このプログラムは、実際のAIビジネスシーンで直⾯する課題を想定したミニプロジェクトを通じて、受講者が実践的なAIプロジェクト経験を積めるように設計されています。プロジェクトの⽴案・計画から実施、チームでの協働、評価に到る⼀連のプロセスを経験することで、受講者は実社会で即戦⼒になるために必要なAIプロジェクト実⾏スキルを習得します。

本教育プログラムは、AI知識の理解から専⾨スキルの習得、さらに実社会の課題に取り組む実践⼒の養成に到るまで、受講した学⽣が社会で成功するための総合的な⽀援を⽬指しています。したがって、このプログラムを通じて受講者は、AI技術の最前線で活躍するために必要な知識とスキルを得た上で、AIビジネスでの実践的な経験に触れられます。

IT・ビジネス分野の専⾨職業⼈材の養成に40年近く取り組んできた当学園は、AI⼈材の育成についてもかなり早い段階から実践的AI⼈材を養成する学科・コースを設けてAI教育を展開してきました。専⾨学校における実践的AI⼈材の教育モデルを構築する本事業において、⼈材養成の⾯からでAIビジネスの産業振興に寄与したいと考えています。
本事業は、社会が直⾯する多様な課題に対して実践的な解決策を提案できる次世代のAIビジネス⼈材を養成することを⽬的にしています。したがって、本教育プログラムが、学⽣にとって価値ある学びの機会になり、彼らのキャリアや未来への展望を拓くことを願っています。
さらに、本事業の取組が、産業界や社会全体におけるDXの進展に貢献し、新たな価値創造の源泉になることを期待しています。